ビウレット反応(読み)びうれっとはんのう(英語表記)biuret reaction

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビウレット反応」の意味・わかりやすい解説

ビウレット反応
びうれっとはんのう
biuret reaction

タンパク質トリペプチドアミノ酸が3個結合した化合物)以上のポリペプチド呈色反応の一つ。試料の水溶液水酸化ナトリウム水酸化カリウムなどの水溶液を加えてアルカリ性とし、さらに硫酸銅の数%水溶液を少量加えると、青紫~赤紫色を呈する。同じ条件のもとでビウレット錯体を形成して呈色することから、この名がある。タンパク質の呈色の原因も類似の構造の錯体による。2個の‐CO‐NH‐という原子団が1個の窒素または炭素原子を挟んで結合している化合物に呈色が認められる。したがってこの構造をもたないアミノ酸やジペプチドは呈色しない。

[務台 潔]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビウレット反応」の意味・わかりやすい解説

ビウレット反応
ビウレットはんのう
biuret reaction

ポリペプチド,蛋白質の呈色反応の1種。ビウレット H2NCONHCONH2 がこの呈色反応を示すことから,このように呼ばれる。蛋白質などの溶液試料に水酸化ナトリウム1%水溶液を1滴加えたのち,硫酸銅5%水溶液を1滴加えると赤紫色の呈色がみられる。2個の CONH 基が,銅と錯化合物をつくりうるような配置にある場合に,この呈色反応を示すことが知られている。

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