激変説ともいう。フランスの古生物学者キュビエは、パリ盆地の中生代上部白亜紀層と新生代第三紀諸層の脊椎(せきつい)動物化石を比較し、それらが共通種をほとんど含んでいないことから、動物群の急激な絶滅と新たな分布が地殻変動でおこると唱えた。これが科学的仮説として天変地異説とよばれるものの初めである。ところが、キュビエの弟子たちは、絶滅のたびに新たな「神による創造」が繰り返されたとする「反復創造説」を強調し、これがいわゆる「天変地異説」として一般に流布した。イギリスの地質学者ライエルらの唱えた斉一説は、変化は漸移的とする仮説であり、天変地異説に対立する立場から打ち出された。
生物相の歴史的変遷を説明する天変地異説は、斉一説に依拠したC・R・ダーウィンの進化説、とりわけその漸進的進化観と鋭く対立し、むしろ近年の断続平衡的進化観と折り合いがよいとみられる。天変地異一般、巨大隕石(いんせき)の衝突や宇宙線の影響、大陸移動と火山・地震活動、氷河形成などが生物の大量絶滅や局所的絶滅の主要な原因となったであろうという可能性が、現在に至りとくに活発に論じられている。
[遠藤 彰]
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…彼の《化石骨の研究》(1812)は化石復元のモデル的研究である。彼はまた過去において地球生物の遭遇した〈革命〉を論じ,いわゆる〈天変地異説catastrophism〉を唱えた。これに対して,無脊椎動物化石研究の端緒を作ったJ.B.deラマルク(1744‐1829)が反論し,今日の進化論につながる見解を発表した。…
…この場合の地形は〈変化する〉対象であり,一見不動に見える地形は,地学的時間尺度を適用することによって変転を繰り返すものとしてとらえられる。当時は中世以来〈天変地異説〉が支配的であり,これによると地表の起伏は激しい地殻変動によって裂けたり盛り上がったりして急速に生じたとされていた。地球の年齢を数千年程度と考えていたせいでもあるが,結局は斉一説によりこの考えは打ち砕かれた。…
※「天変地異説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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