ピロカルピン(読み)ぴろかるぴん(英語表記)pilocarpine

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピロカルピン」の意味・わかりやすい解説

ピロカルピン
ぴろかるぴん
pilocarpine

中央・南アメリカ原産のPilocarpus jaborandiの葉から抽出されたアルカロイドで、その塩酸塩(塩酸ピロカルピン)が医薬品として用いられる。副交感神経作用薬で、縮瞳(しゅくどう)、唾液(だえき)分泌亢進(こうしん)、発汗、消化液分泌亢進、気管支分泌増大、消化管運動亢進、子宮・膀胱(ぼうこう)・胆管・気管支筋の収縮をおこす。アトロピン拮抗(きっこう)する。塩酸ピロカルピンは無色結晶または白色の粉末無臭、味はわずかに苦い。毒薬で、製剤劇薬。点眼液および眼軟膏(なんこう)として診断または治療のための縮瞳を目的とし、眼圧を低下させるので緑内障の治療に用いる。

[幸保文治]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピロカルピン」の意味・わかりやすい解説

ピロカルピン
pilocarpine

C11H16N2O2ブラジルに自生するミカン科の低木ヤボランジ Pilocarpus jaborandiはじめ数種の葉に含まれるアルカロイド。油状または結晶。水,アルコールクロロホルムに可溶,エーテル,ベンゼンには難溶。普通,塩酸塩として唾液分泌促進,発汗,瞳孔縮小などの目的に用いる。またアトロピン中毒の解毒にも使う。

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