日本大百科全書(ニッポニカ) 「フルーランス」の意味・わかりやすい解説
フルーランス
ふるーらんす
Marie Jean Pierre Flourens
(1794―1867)
フランスの生理学者。モウレイアンの生まれ。1828年科学アカデミー会員に選任され、1830年パリの植物園(国立博物学博物館の前身)の比較解剖学教授となった。1840年アカデミー・フランセーズの会員に選ばれた。1819年の最初の論文以来神経機能の実験的研究を行い、また歩行時の平衡に関しての小脳の意義および三半規管の平衡機能の証明を行った。また「生命点」nœud vitalに関する研究(1858)は、その後の呼吸中枢の局在についての研究の基礎となった。すなわち、延髄(えんずい)の閂(かんぬき)のあたりを穿刺(せんし)すると呼吸運動が停止することから、この部位を生命点と名づけたのである。1867年12月6日パリ近くのモングロンで死去した。
[中山 沃]