ブッセ(読み)ぶっせ(英語表記)Ludwig Busse

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブッセ」の意味・わかりやすい解説

ブッセ(Ludwig Busse)
ぶっせ
Ludwig Busse
(1862―1907)

ドイツ哲学者。9月27日ブラウンシュワイクに生まれる。ライプツィヒインスブルックベルリンなどの大学で学び、1885年学位取得。1887年(明治20)より1892年まで東京帝国大学で哲学講師として教え、日本の哲学の進歩に貢献した。帰国後はケーニヒスベルクミュンスター、ハレ各大学で教授歴任。新形而上(けいじじょう)学を唱えるロッツェの影響を受け、「ロッツェ氏倫理学一斑(ぱん)」を『哲学会雑誌』第12号(1888)に発表、批判的実在論を主張した。著書に『哲学と認識論』(1894)、『身心相互作用』(1900)、『精神と身体、心と体』(1903)がある。

[小田川方子 2015年4月17日]


ブッセ(Carl Busse)
ぶっせ
Carl Busse
(1872―1918)

ドイツの詩人小説家。ビルンバオム(現ポーランド領ミェンジフト)生まれ。シュトルムなどの影響を受けた新ロマン派的叙情詩を収めた『詩集』(1892)で認められた。故郷風土や生活に取材した散文作品も書き、文学史家、編集者、批評家でもあったが、いまはまったく忘れられている。日本でも「山のあなたの空遠く」の詩(上田敏(びん)訳詩集『海潮音所収)によって知られるのみである。

[横塚祥隆]

『『海潮音――上田敏訳詩集』(新潮文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブッセ」の意味・わかりやすい解説

ブッセ
Busse, Carl

[生]1872.11.12. リンデンシュタット
[没]1918.12.3. ベルリン
ドイツの詩人,小説家,評論家。新ロマン派風の抒情詩に佳作があり,上田敏訳「山のあなたの空遠く」 (『海潮音』所収) はよく知られる。『青春の嵐』 Jugendstürm (1896) などの小説では故郷をよく描き,文芸評論では自然主義を否定した。

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