東京のスポーツ新聞7紙(スポーツニッポン、日刊スポーツ、サンケイスポーツ、スポーツ報知、東京中日スポーツ、デイリースポーツ、東京スポーツ)の記者が運営する東京映画記者会から授与される映画賞。1950年(昭和25)に、『朝日新聞』の井沢淳(いざわじゅん)(1916―1976)、『毎日新聞』の岡本博(おかもとひろし)(1913―2002)、『読売新聞』の谷村錦一(たにむらきんいち)(1915―1989)ら、新聞の映画担当記者によって「日本映画文化賞」の名称で創設された。第1回日本映画文化賞は、日本初の長編カラー映画である『カルメン故郷に帰る』(木下恵介監督、松竹)が受賞した。賞状を青いリボンで結んだことから、ブルーリボン賞の名がつき、第3回から正式名称に採用された。1961年、美空ひばりの選考問題で記者会が分裂し、一般紙と共同通信の記者が脱退。1967年には、日本レコード大賞の収賄疑惑に絡んで、ジャーナリストである新聞記者が賞を授与することが問題視され、一時的に休止となる。しかし、日本映画の停滞が続いていた1976年から、映画界の振興を目的に復活。2011年(平成23)の時点で、作品賞、主演男優・女優賞、助演男優・女優賞、新人賞、監督賞、海外作品賞を基本とした各部門が設けられている。とりわけ、三國連太郎(みくにれんたろう)(1923―2013)(第2回)、石原裕次郎(第8回)、今村昌平(第9回)、大島渚(第11回)らをいち早くみいだした新人賞は、日本の映画界を支える新たな才能の発掘に定評がある。
[上田 学]
『石原良太編『デラックスカラーシネアルバム20 映画賞・映画祭日本・外国受賞作品大全集』(1986・芳賀書店)』
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