プエブロ族(読み)プエブロぞく(英語表記)Pueblo Indians

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プエブロ族」の意味・わかりやすい解説

プエブロ族
プエブロぞく
Pueblo Indians

アメリカ合衆国の南西部,主としてアリゾナ州北東部とニューメキシコ州で,プエブロと呼ばれる小集落を形成し定住しているアメリカインディアンの総称。現在のプエブロ族は東プエブロと西プエブロに分かれ,西は北アリゾナのホピ族ズニ族,アコマ族,ラクチ族を含む。東はリオグランデ川沿いの全プエブロを含む。農耕民族で,ワタ,トウモロコシ,ダイズ,カボチャを栽培し,織物,籠細工,陶芸などに優れ,特に黒色土器が有名。複雑な宗教組織をもち,角あるいは翼のあるヘビ信仰や仮面をつけて踊る祈祷儀礼などは,南方から伝えられたと考えられる。西プエブロの社会は妻方居住婚を基本とし,特定の氏族による秘密結社が儀礼を行なった。一方東プエブロでは双分組織によって行事や儀礼が行なわれた。何千年も前から狩猟採集生活を営んでいたが,16世紀末にスペイン人が侵入する以前は金属類,車両を知らず,家畜イヌ,シチメンチョウ以外はもたなかった。他民族の侵略やスペイン文化,キリスト教の影響などにもかかわらず,伝統的な慣習を保っている。1987年プエブロ族の遺跡を含む,チャコ文化国立歴史公園(→プエブロ・ボニート遺跡)とアステカ遺跡国定記念物が,1992年にはニューメキシコ州タオス居住地世界遺産文化遺産に登録された。

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