日本大百科全書(ニッポニカ) 「プラヤ」の意味・わかりやすい解説
プラヤ
ぷらや
playa スペイン語
乾燥地域の内陸盆地の低所にみられる平坦(へいたん)な堆積(たいせき)平野。「プラヤ」は海浜を意味するスペイン語であるが、地形用語となり、異なった意味に使用されている。豪雨のあと一時的に水をたたえることもあるが、乾いているのが常態である。堆積物はシルトや粘土などの細粒物質であり、しばしば塩類が堆積している。勾配(こうばい)は1キロメートルに対し1.5メートル程度で、起伏も1メートルを超えることはまれであり、非常に平坦である。地下水位の深さで表面の性質が異なる。地下水位が深く表流水位だけがたまる所では塩分が少なく、表面は非常に硬く、自動車の高速テストコースなどに使用されている。地下水位が浅くなるとともに塩類が多くなり軟らかくなる。地下水位が表面に近くなると塩類のみ厚さ数メートルまで堆積するようになる。場所により乾燥構造土が形成されることがある。「プラヤ」は国際的地形用語であるが、地域的には中南米でサリナsalina、サラールsalar、北アフリカでセブカsebkhaなどの語が使用されている。
[赤木祥彦]