ヘーベル(読み)へーべる(英語表記)Johann Peter Hebel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘーベル」の意味・わかりやすい解説

ヘーベル
Hebel, Johann Peter

[生]1760.5.10. バーゼル
[没]1826.9.22. シュウェツィンゲン
ドイツの詩人,小説家。エルランゲン神学を学ぶ。 1783年レールラハの師範学校教師,のちカールスルーエギムナジウムの教師をつとめる。方言文学の最も重要な先覚者。素朴で,深い心情ユーモア教訓に富む数々のすぐれた詩,短編逸話を書いた。『アレマンネン方言詩』 Alemannische Gedichte (1803) ,短編集『ラインの家友の宝箱』 Schatzkästlein des rheinischen Hausfreundes (11) など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘーベル」の意味・わかりやすい解説

ヘーベル
へーべる
Johann Peter Hebel
(1760―1826)

ドイツの詩人、小説家。バーゼル生まれ。幼少のころ両親を亡くした。カールスルーエの高等中学校(ギムナジウム)を経てエルランゲン大学で神学を修めた。母の故郷に近いレラハの師範学校に勤め、やがてカールスルーエの高等中学校に招かれ、教育と宗教要職を長く務めた。バーデンの自然と人情を素朴にうたった『アレマン方言詩集』(1803)により有名になったが、公国のカレンダーに載せた散文小品が『ラインの家庭の宝箱』(1811)として、晩年の『聖書物語』(1823)とともに広く読まれた。終生郷土と庶民とユーモアを愛した人だった。

[會津 伸]

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