レーガー(読み)れーがー(英語表記)Max Reger

日本大百科全書(ニッポニカ) 「レーガー」の意味・わかりやすい解説

レーガー
れーがー
Max Reger
(1873―1916)

ドイツの作曲家。H・リーマンのもとで学んだのち、ミュンヘンで創作とピアノなどの演奏活動を開始。1907年ライプツィヒ大学の作曲教授および音楽監督に就任。作曲家として国内ばかりでなく、数度にわたる演奏旅行を通じて国外でも名声が高まった。11年マイニンゲンの宮廷楽長に就任。15年イエナに移ったが、翌年旅先のライプツィヒで世を去った。30年に満たない創作生活のなかで生み出されたおびただしい数の作品は、オペラ以外のあらゆるジャンルに及び、とくに絶対音楽への傾向を強く示している。バッハベートーベンブラームスの流れを引く彼の音楽は、優れた対位法の技術とワーグナー半音階の影響の強い和声が、バロックあるいは古典派的な厳格な構成原理と結合し、新しい可能性を追求している。なかでもBACHの四音をモチーフにした『バッハ主題による幻想曲とフーガ』(1900)をはじめとするオルガン曲は、バッハ以降のドイツ・オルガン音楽最高峰を占めている。

[寺田由美子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レーガー」の意味・わかりやすい解説

レーガー
Reger, Max (Johann Baptist Joseph Maximilian)

[生]1873.3.19. ブラント
[没]1916.5.11. ライプチヒ
ドイツの作曲家。ワイデンで学び,1890~93年にゾンダースハウゼンで H.リーマンに師事ビースバーデン,ミュンヘンで作曲,オルガンなどを教えた。 1907年ライプチヒ音楽院の作曲教授となり,11年にマイニンゲンの宮廷楽長をつとめた。 15年はイェナに移り,翌年旅先で病死した。 J.S.バッハ,ブラームスの伝統に,巧みな対位法,自由な半音階的和声を融合し,独自の様式をつくり上げ,A.オネゲルや P.ヒンデミットに影響を与えた。主作品はオルガン曲『「神はわがやぐら」による幻想曲』 (1898) ,『B-A-C-Hによる幻想曲とフーガ』 (1900) ,管弦楽曲『モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ』 (14) 。

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