ベンゾジアゼピン系製剤（読み）ベンゾジアゼピンケイセイザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版

ベンゾジアゼピン系製剤

製品名
《クロナゼパム製剤》
ランドセン（大日本住友製薬）
リボトリール（太陽ファルマ）
《クロバザム製剤》
マイスタン（大日本住友製薬、アルフレッサファーマ）
《ジアゼパム製剤》
ダイアップ（高田製薬）

　クロナゼパム製剤は、小型運動発作、精神運動発作、自律神経発作の治療に使われます。

　クロバザム製剤は、ほかの抗てんかん剤で十分な効果が現れない各種のてんかんに有効な薬です。部分発作の単純部分発作、複雑部分発作、二次性全般化強直間代発作と全般発作の強直間代発作、強直発作、非定型欠伸発作、ミオクロニー発作、脱力発作などに効果があります。

　ジアゼパム製剤は、小児の熱性けいれん、てんかんのけいれん発作の治療に使われます。

①過敏症状（発疹ほっしんなどのアレルギー症状）、依存性、呼吸抑制をおこすことがあります。このような症状がおこったときは使用を止め、すぐ医師に相談してください。

　クロナゼパム製剤では、肝機能障害、黄疸おうだん、刺激興奮、錯乱などの精神症状、夜間の多呼吸発作が、クロバザム製剤では、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群が、ジアゼパム製剤では、刺激興奮、錯乱などがおこることがあります。このような症状がおこったときは使用を止め、すぐ医師に相談してください。

②ねむけ、めまい、ふらつき、唾液だえき増加、食欲不振、吐き気・嘔吐おうと、複視（ものが二重に見える）などがおこることがあります。

　ベンゾジアゼピン系製剤全体では、喘鳴ぜんめい、幻覚、妄想もうそう、転倒、むくみ、脱毛などがおこることがあります。このような症状がおこったときは、医師に相談してください。

①細粒、錠剤、坐剤で、ダイアップは子ども用の坐剤ざざいです〔坐剤のじょうずな使用法〕。また、クロバザム製剤は、ほかの抗てんかん剤と併用します。使用回数、使用時間、使用量については指示を守り、かってに中止したり、減量・増量しないでください。

　中止の許可が出るまで服用を続けてください。かってに中止すると、発作が再発したり、てんかん重積状態（発作が続き、生命が危険な状態）におちいることがあります。

②問診の際にあらかじめ、持病・アレルギーなどの体質、現在使用中の薬の有無を医師に報告してください。

　とくに、この薬で過敏症状をおこしたことのある人、急性閉塞隅角緑内障のある人、重症筋無力症のある人には使用できません。ジアゼパム製剤では、低出生体重児・新生児、リトナビル製剤を使用中の人には使用できません。

　また、妊婦や現在妊娠している可能性のある人、母乳で授乳中の人、高齢者などでは、使用できないことがあります。医師に相談してください。

③過労や睡眠不足、飲酒、喫煙などが原因で薬の効果が低下して発作がおこりやすくなったり、副作用が強く出たりすることがあります。規則正しい生活、禁酒・禁煙を守ることが大切です。

　また、クロナゼパム製剤、クロバザム製剤では、めまいがおこることがあるので、自動車運転や危険を伴う作業は避けてください。

④この薬を使用中に、ほかの薬を使用する必要が生じたときは、必ず医師に報告してください。

　フェノチアジン系抗精神病剤、バルビツール酸系催眠鎮静剤、シメチジン製剤、バルプロ酸ナトリウム製剤、MAO阻害剤などと併用すると、この薬や併用薬の作用が増強したり減弱したりすることがあります。

出典　病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版