タブッキ(その他表記)Tabucchi, Antonio

デジタル大辞泉 「タブッキ」の意味・読み・例文・類語

タブッキ(Antonio Tabucchi)

[1943~2012]イタリア小説家・ポルトガル文学者。インドで失踪した友人を探す主人公の旅を幻想的に描いた「インド夜想曲」で地位確立。他の作品に「供述によるとペレイラは…」など。ポルトガル文学者としては、フェルナンド=ペソアの作品をイタリア語訳するなどの業績を残した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タブッキ」の意味・わかりやすい解説

タブッキ
Tabucchi, Antonio

[生]1943.9.24. イタリア,ピサ
[没]2012.3.25. ポルトガル,リスボン
イタリアの作家,学者。ユーモアを織り交ぜた叙情あふれる小説を執筆。作品の多くにポルトガルへの愛情がにじみ,ポルトガル語でサウダージ saudadeと呼ばれる郷愁感や自然との一体感を描いた。ピサ大学で文学を学び,ジェノバ大学およびシエナ大学でポルトガル文学を教えた。リスボンのイタリア文化会館理事を務め,フェルナンドペソアをはじめとするポルトガルの作家の作品を翻訳した。代表作に『インド夜想曲』Notturno indiano(1984),『取るに足らない小さな行き違い』Piccoli equivoci senza importanza(1985),『供述によるとペレイラは……』Sostiene Pereira(1994)など。『供述によるとペレイラは……』は,1938年のサラザール独裁政権下のリスボンを舞台に,中年新聞記者が期せずして政治活動に巻き込まれていく様子を描いた作品で,イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ首相への批判と解釈された。タブッキ本人は,エッセーや新聞のコラムではベルルスコーニをもっと直接的に糾弾した。

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百科事典マイペディア 「タブッキ」の意味・わかりやすい解説

タブッキ

ジェノバ大学でポルトガル文学を教える,イタリアの作家。研究分野との関連で,ポルトガルのシュルレアリスト詩人たちやペソアの作品の選集を編む作業に携わっている。作家としては,小説《イタリア広場》(1975年),《小さな船》(1978年)を発表しているが,短編集《あべこべゲーム》(1981年)で新世代の作家として注目を集めた。その他の作品には,《ピム港の女》(1983年),《インド夜想曲》(1984年),《取るにたりない小さな間違い》(1985年)など。

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