日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボルデ」の意味・わかりやすい解説
ボルデ
ぼるで
Jules Jean Baptiste Vincent Bordet
(1870―1961)
ベルギーの細菌学者。ブリュッセル大学卒業。1894年パリのパスツール研究所に入りメチニコフに師事。ブリュッセルのパスツール研究所長(1901)、ブリュッセル大学教授(1907)などを歴任。ウサギの血液を注射したモルモットの血清がウサギの赤血球を溶血する免疫学的溶血現象を発見、これがモルモット血清中の免疫体と正常血清成分(補体)との2物質の協同によっておこることを証明、その後、補体結合反応を考案した。1906年にはジャングーOctave Gengou(1875―1957)と共同で百日咳(ぜき)菌を発見、晩年までバクテリオファージの研究を続けた。「免疫に関する発見」により、1919年のノーベル医学生理学賞を受賞した。
[藤野恒三郎]