ボーイソプラノ(その他表記)boy soprano

デジタル大辞泉 「ボーイソプラノ」の意味・読み・例文・類語

ボーイ‐ソプラノ(boy soprano)

ソプラノに似た音色・音域をもつ、変声期前の男子の声。

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精選版 日本国語大辞典 「ボーイソプラノ」の意味・読み・例文・類語

ボーイ‐ソプラノ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] boy soprano ) 声変わりする前の男の子の声。ソプラノに似た澄んだ音色、高い音域をもつのでこの名がある。中世教会音楽のソプラノ部分を受持ち、現在は少年合唱の主体をなす。
    1. [初出の実例]「可憐なボオイ・ソプラノはなんとも云へず美しいものだった」(出典:木の十字架(1940)〈堀辰雄〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「ボーイソプラノ」の意味・わかりやすい解説

ボーイ・ソプラノ
boy soprano

変声期以前の少年ソプラノ。中世のキリスト教会では聖歌隊は男子のみによって構成され,ソプラノは少年の声によって歌われるのが常であった。宗教改革後,ローマ・カトリック教会でも婦人歌唱を許すようになり,19世紀には女声参加は一般的となったが,ボーイ・ソプラノはその独特の音色や表情のために尊重され,今日でも特殊な表現のために使用されている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボーイソプラノ」の意味・わかりやすい解説

ボーイ・ソプラノ
ぼーいそぷらの
boy soprano 英語
soprano d'enfant フランス語
Kindersopran ドイツ語

女声のソプラノと同じ声域をもつ男声のこと。たいていの場合は変声期を迎える前の男児の声である。中世、ルネサンスを通じてキリスト教典礼では、女性の参加が制限されていたため、ボーイ・ソプラノは当時の多声合唱曲においては不可欠の存在であった。17世紀以降は女声の進出のために徐々に衰退していったが、現在でもなお少年合唱隊の形で存続し続けている。

[黒坂俊昭]

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