ノギス(英語表記)vernier calliper

デジタル大辞泉 「ノギス」の意味・読み・例文・類語

ノギス

《〈ドイツ〉Noniusから》主尺のほかに、移動できる副尺をもつ精密測定具。ふつうは金属製。二つの爪の間に物を挟んだり物の内側にあてたりして厚さや直径などを測定する。最小0.05ミリまで測定可能。

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精選版 日本国語大辞典 「ノギス」の意味・読み・例文・類語

ノギス

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Nonius から。発明者であるポルトガルの数学者の名 Pedro Nunes にちなむ ) スケール一端の顎と、スケール上を移動できる顎との間に測定物を挟み長さを測定する道具。〔改訂増補や、此は便利だ(1918)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「ノギス」の意味・わかりやすい解説

ノギス
vernier calliper

本尺目盛バーニヤ目盛を組み合わせ,本尺目盛の読取りを正確にした構造の測長器には,ノギス,ハイトゲージ,デプスゲージなどがある。ノギスはフランス人ベルニエPierre Vernier(1580-1637)によって発明された。ノギスの名称はバーニヤ目盛の方法を発明したポルトガルの数学者ノニウスPetrus Nonius(1492-1577)からきたものといわれている。JISに規定されているノギスは最小読取値が0.1mm,0.05mm,0.02mmで,外側寸法および内側寸法が測定できる。最大測定長は1mのものがある。構造によりM形とCM形がある。図1は深さ測定ができるM形の構造と主要部の名称を示している。スライダーは本尺に組み込まれ,滑らかに移動することができる。本尺とスライダーの外側用測定面が合致したとき,本尺とバーニヤの0目盛が一致するように調整されている。また,内側用測定面,深さ測定用のデプスバーと本尺の端面も合致する。ノギスの総合誤差は測定長が150mmのもので,最小読取値0.05mmのものは±0.08mm,0.02mmのものは±0.05mmである。ハイトゲージheight gaugeはトースカンと直尺を一体にした構造のもので,高さの測定やけがきに用いられる。図2はJISに規定されているHB形ハイトゲージである。軽量で測定に適し,スライダーが箱形でバーニヤが調整できる構造である。最大測定長は1mのものがある。最小読取値や総合誤差はノギスとほぼ同様である。ハイトゲージは平面度のよい定盤上で使用される。定盤面とスクライバーの測定面との高さが本尺とバーニヤで読み取れるようになっている。スクライバーの先端には硬い摩粍の少ない超硬合金がつけられ,その刃先はけがき用として鋭くなっている。高さ測定は測定物とスクライバーの測定面とを軽く接触させ,ハイトゲージの目盛を読み取る。けがきの場合は,所定の寸法にハイトゲージの目盛をあわせ,スライダーの止めねじをしっかり締めつけてからけがく。デプスゲージvernier depth gaugeは穴,みぞ,くぼみの深さなどの測定に用いるものである。図3はJISに規定されているDM形デプスゲージである。最大測定長が300mmのものがある。最小読取値や総合誤差はノギスとほぼ同様である。バーニヤの測定面と本尺の測定面とが同一平面にあるとき,本尺とバーニヤ目盛の0目盛が一致するようになっている。使用方法は,測定物の基準面とバーニヤの測定面を確実に接触させ,本尺の測定面が穴の測定面に軽く接するまで本尺を滑らせて,目盛を読み取る。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノギス」の意味・わかりやすい解説

ノギス
のぎす
vernier caliper

工作物の外側あるいは内側寸法を目盛り尺とバーニヤ(副尺)を用いて簡単に測る測定工具。当初は、単に物を挟んで概略の外側寸法を知る程度であったものを、ポルトガルの数学者ペドロ・ヌネシュPedro Nunes(ラテン語表記ペトルス・ノニウスPetrus Nonius。1502―1578)が目盛りをつけたといわれている。日本では、ノニウスがなまってノギスとよばれるようになった。バーニヤの名は、副尺を考案してノギスを正確な読取りができる構造にしたフランスの数学者ピエール・バーニヤPierre Vernier(1580―1637)に由来する。使用法が簡単なため、機械工場などにおいて広く使用されている。標準M型ノギスはデプス付きノギスともいわれ、高さ、深さの測定もできる。普通用いられているノギスは、本尺の一目盛りが1ミリメートルで、副尺を併用することにより読み取ることのできる最小寸法は0.05ミリメートルである。このほかに最小読み取り寸法が0.02ミリメートルのものもある。また、測定値を読み取りやすくし、個人差をなくすため、ダイヤルゲージと連動させたものや、リニアスケールを内蔵し、測定値をデジタル表示できるものもある。デジタル表示する場合は、0.01ミリメートルまでの表示が可能になっている。ノギスの測定精度は目盛りおよびバーニヤの良否、その案内、被測定物を挟む外側測定面となるジョウの平面度と平行度ならびにその案内に対する直角度などに関係する。

[清水伸二]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノギス」の意味・わかりやすい解説

ノギス
vernier calipers

バーニヤ (副尺) つきの現場用の精密な長さ測定器。2つのジョーと2つのくちばし,スライダ,本尺から成り,スライダ上のバーニヤによって本尺の目盛りをさらに細分して読取る。測定する物体の外側寸法 (ジョーを用いる) ,内側寸法 (くちばしを用いる) ,穴の深さ (デプスバーのあるものに限る) を測定することができ,最小読取り値は通常 0.02mmもしくは 0.05mm,測定範囲は通常 150~200mm,最大 1mまでのものがある。読取りを容易にしたダイヤル付きノギスも広く用いられている。また,歯車の歯厚測定用には歯厚ノギスがある。

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百科事典マイペディア 「ノギス」の意味・わかりやすい解説

ノギス

機械工作用の長さ測定工具。2個の測定ジョーが,一つは鋼製直尺(本尺)の一端に固定され,他は本尺上を滑動できるスライダーについていて,スライダーにはバーニヤ目盛がある。ジョーには外側,内側の2測定面があり,スライダーの位置をバーニヤで1/10mm,1/20mmまたは1/50mmまで読み取る。デプスバーにより穴の深さが測れる。

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