長さ測定器の一つ。スピンドル式とてこ式があり,前者が広く使われている。スピンドル式は,スピンドルの直線運動を歯車,またはてこと歯車によって回転運動にかえ,機械的に拡大して目盛円板上にスピンドルの変位を指示するようにしたもので,てこ式はセクター歯車と冠歯車によって拡大したものである。測定範囲は0.1~10mmのものがある。測定範囲以上の寸法測定には標準とするブロックゲージを用い比較測定する。JISでは0.01mm目盛,0.001mm目盛のスピンドル式ダイヤルゲージとてこ式ダイヤルゲージの性能などを規定している。精度は0.003~0.015mm程度である。特徴は小型,軽量で精度がよく,測定範囲が比較的広いため,連続した変位を測定することができる。機械加工工場には,ノギス,マイクロメーターとともになくてはならない測定器である。ダイヤルゲージ単体では使用することなく,保持器や標準ゲージと用いる。またダイヤルゲージにいろいろの保持器を取り付けた測定器もある。
執筆者:横山 豊
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
長さの測定器。普通使用されているのは、指針として長針と短針とを備えている時計形のものである。測定スピンドルのわずかな動きを歯車機構で拡大し、指針を動かし目盛りで読み取るようになっている。
ダイヤルの目盛りは、円周を100等分してあって、一目盛りが0.01ミリメートルを示す。特殊なものとして、一目盛りが0.001ミリメートルを示すものもある。
構造上、スピンドルの動く範囲には限度があり、したがって長さの測定範囲は、5~10ミリメートル程度のものが多い。0.001ミリメートル目盛りのものでは、0.3ミリメートル~2ミリメートルとなっているものが多い。スピンドル先端の測定子を被測定物に当てて測定をする。長さの比較測定のほか、工作物の振れ、二面間の平行度、その他に広く使用されている。てこによって測定子の動く方向を切り換えられるようにしたてこ式ダイヤルゲージは、狭い場所で使用するのに便利である。最近のダイヤルゲージには、デジタル表示が可能なものもあり、寸法管理の自動化も進められている。
[中山秀太郎・清水伸二]
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