マカロフ(読み)まかろふ(英語表記)Степан Осипович Макаров/Stepan Osipovich Makarov

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マカロフ」の意味・わかりやすい解説

マカロフ
Makarov, Stepan Osipovich

[生]1849.1.8. ニコラエフ
[没]1904.4.13.
ロシア軍人提督。海軍士官として太平洋バルト海,黒海艦隊などに勤務するかたわら,2度の世界周航を行い,露土戦争 (1877~78) では初めて魚雷を用い,北氷洋では砕氷船『エルマク』号を建造して探検するなど,ロシア海軍の強化と海洋学の発展に貢献した。 1897年バルチック艦隊,99年クロンシタット軍港の司令長官を経て,日露戦争に際しロシア太平洋艦隊長官に任じられ,旗艦『ペテロパウロフスク』が旅順港外で敷設水雷に触れて沈没したのと運命をともにした。航海造船学,地理学などに関する著作多数を残した。

マカロフ
Makarov

ロシア,サハリン州の港湾都市。サハリン島中南部東岸,テルペニエ湾にのぞむ。パルプ製紙水産加工などの工場が立地し,付近には炭田がある。州都ユジノサハリンスクの北約 200kmにあり,鉄道ハイウェー連絡。旧日本領で,日本名知取 (しるとる) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マカロフ」の意味・わかりやすい解説

マカロフ
まかろふ
Степан Осипович Макаров/Stepan Osipovich Makarov
(1849―1904)

ロシアの提督。ロシア・トルコ戦争(1877~78)における魚雷作戦、二度にわたる世界一周航海(1886~89、94~96)、砕氷船「イェルマーク」の設計同船による北氷洋遠征で知られ、海洋学に造詣(ぞうけい)の深い名将とされた。日露戦争開始後、太平洋艦隊司令長官として旅順防衛を指導したが、機雷により沈没した旗艦ペトロパブロフスクと運命をともにした。

[原 暉之]

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