プンタ・アレナス(読み)ぷんたあれなす(英語表記)Punta Arenas

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プンタ・アレナス」の意味・わかりやすい解説

プンタ・アレナス
ぷんたあれなす
Punta Arenas

南アメリカ、チリ最南部のマゼラン海峡に臨む港湾都市。チリ第12地域(マガリャネスMagallanes)の首都。人口12万0891(2002国勢調査速報値)。南緯53度10分に位置し、アルゼンチンウスワイアに次ぐ世界最南の都市である。1849年に建設され、パナマ運河開通までは大西洋太平洋を結ぶ要路の港として栄えた。現在は自由港に指定され、後背地のパタゴニアで生産される羊毛や冷凍マトンおよび木材輸出港である。また対岸フエゴ島を中心とする周辺地域の石油採掘の拠点でもある。アルゼンチン側からは道路が通じるが、チリの他の都市からは船便、航空便しかなく不便である。

[細野昭雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プンタ・アレナス」の意味・わかりやすい解説

プンタアレナス
Punta Arenas

チリ南部の港湾都市。南アメリカ最南の都市で,大陸部とフエゴ島を分けるマガヤネス (マゼラン) 海峡にのぞむ。 1849年建設され,パナマ運河開通 (1914) までは,太平洋と大西洋を結ぶ重要な航路であった同海峡を航行する外洋船の寄港地,給炭地として繁栄。現在はおもに沿岸航路の船舶母港で,広大な牧羊地帯を背後に控えて,市内で加工・処理された羊皮,羊毛,冷凍羊肉を積出すほか,木材,石油製品などを積出す。対岸の大フエゴ島での石油開発,自由港区の設置,陸・海・空軍駐留などが近年市の発展に寄与。南アメリカの大西洋岸沿いに南下してくる道路が市まで通じ,アルゼンチンの主要都市と結ばれるが,チリ国内では北西約 200kmのプエルトナタレスまで道路が通じるのみで,チリの主要都市との連絡はもっぱら沿岸航路と空路による。対岸のポルベニルとの間にはフェリーの定期便が就航。人口 12万 30 (1992推計) 。

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