マダーチ
Madách Imre
生没年:1823-64
ハンガリーの詩人,劇作家。由緒ある名門の出で,郷土の政界で活躍する。1848年の独立戦争で弟,妹夫婦を失い,自身も1年拘禁生活を送る。その間結婚生活は破局に向かい,離婚後,生来のペシミズムが高じ,隠棲して創作活動に没頭する。代表作の《人間の悲劇》(1862)は天地創造以来の人類の精神史を描き,その運命に疑問を投げかけた壮大な哲学的詩劇で,没後上演された。ゲーテの《ファウスト》に比肩する作品として諸国語に翻訳されている。
執筆者:岩崎 悦子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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マダーチ
Madách Imre
[生]1823.1.21. アルショーストゥレゴワ
[没]1864.10.5. アルショーストゥレゴワ
ハンガリーの詩人,劇作家。ペテーフィの知遇を得,民族革命には病弱なため参戦できなかったが,肉親,知人を失い,自身もコシュートの秘書をかくまった罪で1年間刑に服した。 19世紀前半の自由主義的,進歩的ロマン主義が,彼の世界観の基礎を形成している。 1861年に発表した叙事詩劇『人間の悲劇』 Az ember tragédiájaは,人間の誕生から,歴史を追って,未来の共産社会にいたるまでの人間の運命を追究した作品で,その壮大な哲学的思索はゲーテの『ファウスト』に比べられる。ほかに抒情詩,戯曲もある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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マダーチ
まだーち
Madách Imre
(1823―1864)
ハンガリーの劇作家。地方貴族の出身。ブダペストで法律を学び、のち故郷に戻り、政界で活躍。学生のころから詩や戯曲を書き、地方政界の保守性を告発する執筆活動にも従事した。進歩的貴族の陣営に加わったが、独立戦争での兄弟の不運や、自身の獄中生活から端を発した結婚生活の崩壊により、ペシミズムにとらわれ、隠遁(いんとん)生活に入った。哲学的詩劇『人間の悲劇』(1862)は、天地創造以来の人間の歴史をテーマとしている。
[岩崎悦子]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内のマダーチの言及
※「マダーチ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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