マッカラン法(読み)まっからんほう(英語表記)McCarran Act

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マッカラン法」の意味・わかりやすい解説

マッカラン法
まっからんほう
McCarran Act

一般に、1950年と52年にアメリカ合衆国成立した国内安全法Internal Security Actおよび移民・国籍法Immigration & Nationality Actをともにマッカラン法という。マッカーシー「赤狩り」旋風を背景として、ともに大統領拒否を乗り越えて成立。前者は「全体主義的独裁の確立に手を貸す」ことを不法とし、「共産主義にかかわる組織」の成員に政府への登録を要求、彼らの国防事業への従事海外渡航を禁止した。後者は、移民制限条項にイデオロギーを導入、共産主義者およびその関連団体成員の入国を拒否することを明記している。この法律によりなお毎年、多くの人々が入国を拒否されている。名称は提案者に因む。

上杉 忍]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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