マッチ売りの少女(読み)マッチウリノショウジョ(その他表記)Den lille Pige med Svovlstikkerne

デジタル大辞泉 「マッチ売りの少女」の意味・読み・例文・類語

マッチうりのしょうじょ〔‐うりのセウヂヨ〕【マッチ売りの少女】

原題、〈デンマークDen lille Pige med Svovlstikkerneアンデルセン童話。1848年発表。大みそかの夜、貧しいマッチ売りの少女が寒さに耐えかねてマッチを擦ると、さまざまな美しい幻が現れる。最後に亡き祖母が現れ、少女を天国へと導く。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マッチ売りの少女」の意味・わかりやすい解説

マッチ売りの少女
まっちうりのしょうじょ
Den lille Pige med Svovlstikkerne

アンデルセンの童話。1848年作。大みそかの街の通りを、マッチ売りの少女がはだしで歩いていた。マッチが一つも売れず、指を暖めるために1本のマッチをすると、美しい幻が少女の前に展開する。初めのマッチは大きなストーブ、ついで御馳走(ごちそう)いっぱいのテーブルやきれいなクリスマスツリーが現れ、その光のなかに彼女をただ1人愛してくれたおばあさんが現れる。おばあさんを引き留めておくために残りのマッチを全部すると、一面の光のなかで少女はおばあさんに抱かれて空高く舞い上がる。翌朝微笑を浮かべながら少女は街角で死んでいた。彼女がどんな美しいものを見たかを知る者は1人もなかった。貧しい少女時代を過ごした作者の母を記念した作品の一つで、きわめて短い作ながら不滅の光を放っている。

[山室 静]

『矢崎源九郎訳『マッチ売りの少女』(新潮文庫)』『高橋健二訳『マッチ売りの少女』(『アンデルセン童話全集2』所収・1979・小学館)』

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デジタル大辞泉プラス 「マッチ売りの少女」の解説

マッチ売りの少女

別役実戯曲。アンデルセンの同名童話をモチーフ戦後の日本を描く不条理演劇。1966年11月、劇団早稲田小劇場が、同劇団のアトリエ兼劇場のこけら落とし公演として、鈴木忠志演出により初演。別役は本作と「赤い鳥のいる風景」により、第13回「新劇岸田戯曲賞(のちの岸田国士戯曲賞)受賞。

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