マラキ書(読み)マラキしょ(その他表記)Book of Malachi

改訂新版 世界大百科事典 「マラキ書」の意味・わかりやすい解説

マラキ書 (マラキしょ)
Book of Malachi

旧約聖書の〈十二小預言書〉に属する預言書。マラキは〈わが使者〉の意味で,3章1節にも見られる。これが著者の名であるかどうか不明である。この書は,エルサレム第2神殿建設(前515)から,エズラ,ネヘミヤの改革(前450ころ)までの時期に,エルサレムの祭司ユダの民に律法を厳格に守るよう呼びかけた預言で,〈義の太陽〉の昇る審判の日(4:2)と,それに先立つエリヤ再来を預言している(4:5)。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マラキ書」の意味・わかりやすい解説

マラキ書
まらきしょ
Mal'ākî ヘブライ語
The Book of Malachi 英語

『旧約聖書』の十二小預言書結尾の一書。マラキとは「わが使者」を意味し、神ヤーウェの、匿名預言者をさす。全体は4章(原典区分では3章)からなり、概略次のことを述べる。ヤーウェはイスラエルの民を愛した(1章2節~5節)。しかし彼らは犠牲の捧(ささ)げ方を誤り(1章6節~2章9節)、異教の女をめとり、結婚の契約をないがしろにした(2章10節~16節)。審(さば)きの日は近い(2章17節~3章5節)。10分の1税を正しく納めよ(3章6節~12節)。ヤーウェは悪を行う者を審き、神の名を畏(おそ)れる者を救う(3章13節~4章6節)。本書は紀元前515年以降に成立した、終末論的色調の濃い預言書である。

[定形日佐雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マラキ書」の意味・わかりやすい解説

マラキ書
マラキしょ
Book of Malachi

旧約聖書 12小預言書の一つ。マラキはおそらく「わが使者 (マルマーキー) 」 (3・1) を意味する人名で,あとから付されたものらしい。成立は前5世紀と思われる。内容は4章に分れ,神に対する不義および神への恐れのなさへの批判,契約の履行と律法の遵守の勧告,突然に来る神の裁きについて,そして裁きの前にエリヤが現れて父なる神の心を子供らに伝え,子供らの心を父に向けさせる役目を果すことが各章の主題となっている。

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