マルケルス(英語表記)Marcus Claudius Marcellus

改訂新版 世界大百科事典 「マルケルス」の意味・わかりやすい解説

マルケルス
Marcus Claudius Marcellus
生没年:前268以前-前208

共和政中期ローマ政治家将軍。前222年のコンスル執政官)として北イタリアでインスブレス族を破り,第2次ポエニ戦争では特にカンネーの戦以降活躍する。前214年のコンスル(第3次)として,同僚ファビウスの〈ローマの盾〉に対して〈ローマの剣〉とうたわれた。南イタリアを転戦しつつ武勲をあげ,次いでシチリアに転じ,前213年にはシラクサ包囲,翌年これを落とした。前210年第4次コンスル職,前208年第5次コンスル職に就き,南イタリアで戦ったが,ウェヌシア付近のペテリアで戦死した。教養豊かな,尚武の人として知られる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マルケルス」の意味・わかりやすい解説

マルケルス
Marcellus, Marcus Claudius

[生]前268頃
[没]前208. ウェヌシア近郊
古代ローマのクラウディウス家出身の軍人,政治家。5度執政官 (コンスル ) を経験。執政官在任中,ローマ軍を指揮して,数々の功績をあげ,「ローマの剣」とあだ名された。前 214年第2次ポエニ戦争中シラクサを攻め,アルキメデス計略で苦戦したが,2年にわたる攻囲ののちこれを落した。5度目の執政官のとき,ハンニバルと戦い,敵状偵察中,戦死。

マルケルス
Marcellus, Marcus Claudius

[生]前42頃
[没]前23. バイアエ
古代ローマのクラウディウス家出身の軍人。アウグスツス帝の姉オクタウィアの子。前 25年アウグスツスの娘ユリアと結婚将来を嘱望されていたが造営官在任中急死。アウグスツスみずから追悼演説を行なった。ウェルギリウスも彼を称賛している。

マルケルス
Marcellus, Marcus Claudius

[生]?
[没]前46. ペイライエウス
古代ローマのクラウディウス家出身の政治家。閥族派 (オプチマテス ) の指導者。ユリウス・カエサルと対立し,内乱中はポンペイウス派に属した。ポンペイウス (大ポンペイウス) の死後,一時ギリシアに逃れて遊学。 M.キケロの支持で前 46年許されたが,部下に殺された。雄弁,剛毅で知られた。

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