日本大百科全書(ニッポニカ) 「ファビウス」の意味・わかりやすい解説 ファビウスふぁびうすQuintus Fabius Maximus Verrucosus Cunctator(?―前203) 古代ローマの軍人。ファビウス氏はローマ共和政期を通じてもっとも有力な氏族の一つであったが、彼はコンスル(統領)に5回就任した。ハンニバルがイタリアを劫掠(ごうりゃく)したときには、紀元前217年にディクタトル(独裁官)となり、決戦を避けて遷延戦術をとったので「遷延家」(クンクタトル)と称された。晩年には元老院首席として権勢を振るったが、若い大スキピオと対立した。[吉村忠典] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例