ミウォシュ(その他表記)Czesław Miłosz

デジタル大辞泉 「ミウォシュ」の意味・読み・例文・類語

ミウォシュ(Czesław Miłosz)

[1911~2004]ポーランド生まれの詩人小説家フランス亡命したのち、1960年に米国移住、1970年帰化。悲哀幻滅をたたえた叙情詩が多い。1980年ノーベル文学賞受賞。詩集真昼の明かり」、評論「とらわれた魂」など。

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改訂新版 世界大百科事典 「ミウォシュ」の意味・わかりやすい解説

ミウォシュ
Czesław Miłosz
生没年:1911-2004

ポーランドの詩人。ミロシュとも呼ばれる。リトアニア生れ。ビルニュスの大学を経て,1934-35年パリに留学。第2次世界大戦中は,ワルシャワで地下出版活動に参加した。戦後は駐米,駐仏大使館の文化アタッシェを務め,51年パリで亡命,58年アメリカに渡った。長年,パリの亡命誌《クルトゥラ(文化)》に寄稿し,とくに知識人が共産党政権に妥協していくさまを冷静に暴いた評論風の実録《囚われの魂》(1953)によって国際的名声を得た。そのため,ポーランド当局から嫌われたが,80年秋にノーベル文学賞を受賞。翌81年に本国でも彼の詩作の一部が詩集として初めて刊行された。その詩風は急進的な前衛作品《冷えきった時代の詩》(1933)から〈軽蔑の時代〉に抗議する人道主義的な哲学を深化した《生き残ること》(1945)へとたどる。詩集数巻のほか,自伝風小説《イサの谷》(1955),回想記《欧州家族》(1959),評論《サンフランシスコ湾の眺め》(1969)などがある。81年,短期間帰国。カリフォルニア大学バークリー校の教授を務めた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミウォシュ」の意味・わかりやすい解説

ミウォシュ
Miłosz, Czesław

[生]1911.6.30. リトアニア,シャティニャ
[没]2004.8.14. ポーランド,クラクフ
ポーランドの亡命詩人,小説家,批評家欧米ではミロシュ。第2次世界大戦中ワルシャワで地下出版活動に参加し,戦後は外交官として活躍したが,スターリン体制に失望して 1951年亡命,フランスを経てアメリカで活動する。小説『権力を奪いし者』 Zdobycie Władzy; Seizure of Power (1953) でヨーロッパ文学賞を受けた。 1980年ノーベル文学賞受賞。主著"Poemat o czasie zastygłym" (1933) ,"Traktat poetycki" (1957) ,『ポーランド文学史』 History of Polish Literature (1969) 。

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百科事典マイペディア 「ミウォシュ」の意味・わかりやすい解説

ミウォシュ

ポーランドの詩人。リトアニア生れ。急進的な前衛詩人として活躍。第2次大戦中は抵抗運動に参加。戦後は在外公館で文化担当官を務めるが,1951年パリで亡命し,1960年以降は米国に住む。戦後の詩作には現代文明の危機,自然,過去の追憶をテーマとした哲学的なものが多い。詩集数巻のほか,自伝的小説《イサの谷間》(1955年)など。1980年ノーベル文学賞。

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