六訂版 家庭医学大全科 「ミルク嫌い」の解説
ミルク嫌い
ミルクぎらい
Bottle rejection
(子どもの病気)
どんな病気か
原因と対処法
母乳栄養のみからミルクを足し始めた時に、母乳は飲んでもミルクは飲んでくれないことがあります。味の違いや乳首の感触、においの違いが原因になっていると思われます。ミルクの種類や乳首の種類(材質、穴の大きさ)を何種類か試して対処します。
今までミルクを飲んでいたのに、ある時から急に飲まなくなる場合もあります。赤ちゃんの成長に伴い、乳首の穴の大きさが合わなくなったり、急に乳首のにおいが気になりだしたりすることが原因です。これもミルクの種類や乳首の種類を替えて対処します。
3カ月ころになると、周囲への関心が強くなり、気分にムラが出るため1回ごとの哺乳量にもばらつきが出てきます。おなかがすいているはずなのに嫌がって飲んでくれないこともあります。このころは、以前より1日の哺乳量が減る場合もありますが、大きく減らなければ問題ありません。
飲むのを嫌がっても無理に飲ませようとせず、時間をおいてみましょう。興奮している時ではなく眠そうにしている時に飲ませると、たくさん飲む場合が多いようです。どうしても1日量として大きく減ってしまう場合は、スプーンやカップからの授乳も試してみてください。
離乳食が増えてくると哺乳量は減ります。生理的なことなので、体重が減らなければ問題はありません。
受診の目安
1日の哺乳量があまり減っていなかったり、体重が減っていない場合は心配ありません。
しかし、哺乳量の減少が病気の症状になっていることがあるので、哺乳量の減少以外に発熱、下痢、呼吸困難、元気がないなどの症状がある時は、医療機関を受診してください。
竹内 一夫
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報