むかわ(町)(読み)むかわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「むかわ(町)」の意味・わかりやすい解説

むかわ(町)
むかわ

北海道南西部、胆振(いぶり)総合振興局管内の勇払(ゆうふつ)郡にある町。2006年(平成18)、勇払郡鵡川町(むかわちょう)、穂別町(ほべつちょう)が合併して成立。町の東、西および北の三方を日高山系に囲まれ、南部は太平洋に臨む。トマム岳を源流とする一級河川鵡川が北から南に町域を貫流し、海・山・川・平地と多彩な自然環境をもつ。海岸部をJR日高本線、国道235号が走り、日高自動車道の鵡川インターチェンジがある。日高本線の鵡川駅は同線の終着駅となっている。北部の山間地をJR石勝(せきしょう)線、道東自動車道、国道274号が横切るが、石勝線の旅客駅はなく、むかわ穂別インターチェンジがある。鵡川は秋に特産のシシャモが遡上し、シシャモの町として知られる。鵡川の中・下流域には水田地帯が広がり、河岸段丘上には軽種馬(競走馬)の牧場が点在する。河口近くの河川敷には日本一の規模を誇るタンポポの群生地があり、公園として整備されている。北部の穂別地区は9割を森林が占め、「ほべつ道民の森」などがあり、近くには町立穂別博物館などの施設がある。また、アンモナイトやクビナガリュウ(ホベツアラキリュウ)などの化石多く発見されている。2013年(平成25)に同地区で発掘され「むかわ竜」と通称されていた恐竜化石は、2019年(令和1)9月に新属新種として認定され、「カムイサウルス・ジャポニクスKamuysaurus japonicus」という学名が与えられた。当地アイヌ古式舞踊(鵡川アイヌ無形文化伝承保存会)は国指定重要無形民俗文化財。面積711.36平方キロメートル、人口7651(2020)。

[編集部]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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