家庭医学館 の解説
めがねとこんたくとれんずのえらびかたつかいかた【めがねとコンタクトレンズの選び方、使い方】
一口にめがねといっても、目的により、近視(きんし)や乱視(らんし)用のめがね、老眼鏡、遠近両用めがねなど、いろいろな種類があります。
●おとなの場合
本人自身が、どのようなことが不便で、どのような目的でめがねをつくるのかをよく相談する必要があります。
度や大きさの合わないめがねをかけていると、眼精疲労(がんせいひろう)や頭痛の原因となることもあります。目の度数は少しずつ変化していることがありますから、2~3年に1回は、めがねの度が合っているか調べてもらいましょう。
●子どもの場合
視力の矯正(きょうせい)のためだけでなく、視機能の発達を促すための「治療」として、めがねをかけなくてはならない場合もあります。小さい子どもにはめがねをかけさせたくないという親も多いのですが、弱視(じゃくし)や斜視(しゃし)を治療するためには、小さいからこそ、かけなくてはならないのです。医師の指示に従うようにしましょう。
また近視の場合、子どもでは調節力が大きいため、必要以上に度の強いめがねをつくってしまうこともあります。この場合には、近視がよけいに進む原因になることもあります。めがねをつくるときには、眼科で屈折や視力、調節力、瞳孔間距離(どうこうかんきょり)の検査を受け、処方箋(しょほうせん)を書いてもらうようにしましょう。
◎コンタクトレンズの選び方、使い方
屈折異常を矯正するもう1つの方法が、コンタクトレンズです。そのアイデアを考案したのは、モナリザで有名なレオナルド・ダ・ビンチといわれていますが、実用化されたのは50年ほど前です。
コンタクトレンズには、ソフトとハードがあり、それぞれに特徴があります。
●ハードレンズ
乱視の矯正力が強く、耐久性にすぐれている反面、外れやすく、異物感や見え方に違和感が生じることがあります。
●ソフトレンズ
装用感はよいのですが、乱視の矯正力が弱く、取り扱いがやや煩雑(はんざつ)なのが欠点です。ただし最近は、乱視用のソフトレンズや使い捨てのレンズなど、ソフトレンズの欠点を克服したタイプのものが使えるようになってきました。
どのタイプがよいかは、その人の目の屈折や状態によるので、眼科医と相談するのがいちばんです。
コンタクトレンズは便利な道具ですが、角膜(かくまく)にのせて使うため、目に傷をつけてしまうことがあります。多くの場合は大事に至りませんが、角膜にきずあとが残り、視力障害の原因となることもあります。
●コンタクトレンズを安全に使う「こつ」
コンタクトレンズを安全に使う「こつ」は1つしかありません。それは面倒がらないことです。コンタクトレンズをつけたままで寝ることを連続装用といいますが、下着を1週間替えずにいるのと同じで不潔になりやすく、細菌性角膜炎(さいきんせいかくまくえん)を生じる率が10~20倍になり、たいへん危険です。
また、レンズのこすり洗いをしなくてよいというつけ置き型の洗浄剤も市販されていますが、これはたとえば、食器を洗うときにつけておくだけのようなものです。汚れが十分に落ちないので、角膜炎(かくまくえん)やアレルギーを生じやすくなります。
ほかならぬあなたの目の安全のためです。面倒がらずに、コンタクトレンズは夜寝る前には外して、きちんと洗いましょう。