イベール(読み)いべーる(英語表記)Jacques Ibert

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イベール」の意味・わかりやすい解説

イベール
いべーる
Jacques Ibert
(1890―1962)

フランス作曲家。パリに生まれ、同地に没す。パリ音楽院に入学し、作曲をビダルに師事。1919年ローマ大賞受賞。その後作曲家として活躍するとともに、ローマのアカデミー・ド・フランスの館長(1937~60)を務め、第二次世界大戦後には国立オペラ劇場連合のための総監督などを歴任。56年にアカデミー会員に選出された。彼は鋭い感覚と自由な想像力を駆使して、ユーモア風刺、あるいは気品知性にあふれた多くの作品を書いた。代表作には交響組曲『寄港地』(1924初演)、オペラ『アンジェリク』(1927初演)、ピアノ組曲『物語』(1917)などがある。

[寺田兼文]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イベール」の意味・わかりやすい解説

イベール
Ibert, Jacques

[生]1890.8.15. パリ
[没]1962.2.5. パリ
フランスの作曲家。 1911年パリ音楽院に入学,第1次世界大戦勃発により海軍士官を志願,戦後 19年ローマ大賞を獲得。「六人組」と呼ばれる現代フランス音楽の作曲家と同時代に属し,色彩的な管弦楽,入念な作曲法,才気あふれた作品は,パリジャン特有の世界をつくりだしている。 37年ローマのフランス・アカデミー館長。作品は,交響組曲『寄港地』 (1922) ,『フルート協奏曲』 (34) ,ピアノ曲『物語』ほか多数。

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