フランスの技術者で鉄筋コンクリート工法の発明者。庭師であったが,植木ばちの耐久力を増すために金網にコンクリートを流し込むことを考案し,1867年に特許をとり,さらに77年には鉄筋コンクリートまくら木の特許を得た。鉄筋コンクリートは圧縮力をコンクリートで,引張力を鉄筋で受けもつ構造物であり,この発明により土木建築の技術は飛躍的な進歩をとげた。彼は鉄筋コンクリートの最初の発明者ではないが,耐火床,耐震家屋,橋などをつくり,鉄筋コンクリート工法の啓発や普及にその生涯をささげた。また彼が経験的に設計した鉄筋コンクリートの床版や桁は,のちの理論的研究によってその妥当性が裏づけられた。81年に彼の特許はドイツの商社に買収され,鉄筋コンクリートの技術はその後ドイツを中心に発達した。
執筆者:佐藤 馨一
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フランスの技術者、鉄筋コンクリートの発明者。サン・カンタン・ラ・ポトリーに生まれる。ブローニュの庭師からパリの大園芸場の所有者となり、植木鉢の改良から鉄筋コンクリートを考案した。1849年、耐久性の向上と軽量化から、小石とセメントに水を加えて細い針金網の骨組の上から流し込む方法を採用、植木鉢の改良に応用した。1867年特許を取得し、腰掛、直線梁(ばり)、管などにも用い、1875年には世界最初の鉄筋コンクリート橋を完成させた。とくにモニエ・ベトンと称して採用したドイツをはじめ、世界的な鉄筋コンクリート技術の幕開きを導き出した。
[藤原恵洋・村松貞次郎]
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…RC造建築ともいう。
[歴史]
コンクリートは建築材料として古代ローマなどでも用いられていたが,鉄筋コンクリートが建築に用いられるようになったのは19世紀中ごろからで,鉄筋を入れたコンクリート製植木鉢や,鉄道まくら木で特許を得たフランスのJ.モニエは,1880年には鉄筋コンクリート造耐震家屋を試作した。その後ドイツのG.A.ワイスらが86年その構造計算方法を発表し,実際に橋,工場などを設計したため,建築全般に広く利用されるにいたった。…
※「モニエ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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