モンティセリ(読み)もんてぃせり(英語表記)Adolphe Joseph Thomas Monticelli

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モンティセリ」の意味・わかりやすい解説

モンティセリ
Monticelli, Adolphe (-Joseph-Thomas)

[生]1824.10.14. マルセイユ
[没]1886.6.29. マルセイユ
イタリア系のフランスの画家。マルセイユの美術アカデミーで学び,1846~48年パリで P.ドラローシュに師事。ルーブル美術館ルーベンスベロネーゼ,ワトーらの作品から学び,友人ドラクロアの影響を受けた。その後マルセイユに戻り,線描を捨て色彩濃淡によるロマン主義的な作風確立,のちにゴッホなどにも影響を与えた。 63~70年パリでナポレオン3世その他のために制作したが,第2帝政の崩壊とともにマルセイユに戻った。主要作品は『公園の集り』『白い酒壺』。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モンティセリ」の意味・わかりやすい解説

モンティセリ
もんてぃせり
Adolphe Joseph Thomas Monticelli
(1824―1886)

フランスの画家。マルセイユに生まれ、同地に没。22歳のときパリに出てポール・ドラローシュのアトリエに入る。ルーブル美術館でレンブラントベネチア派の作品を学ぶ一方で、ドラクロワ、ディアズ・ド・ラ・ペーニャの知己になりその影響を受ける。ロココ風の雅宴画でパリにおいて人気を博すが、1870年のプロイセン・フランス戦争以後、故郷マルセイユに引きこもる。しかしその後、激しい筆使いと眩惑(げんわく)的な色彩を特徴とする独自の様式を発展させていった。南フランスでセザンヌと接触し、彼に多少の影響を与えているし、またゴッホらにも影響を及ぼしている。

[宮崎克己]

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