やさ

精選版 日本国語大辞典 「やさ」の意味・読み・例文・類語

やさ

  1. 〘 名詞 〙 一般の住居をいう、盗人・てきや仲間隠語。〔日本隠語集(1892)〕
    1. [初出の実例]「バンタ(妻)を持ち、ヤサ(家)をかまへ、ネタモト(商品の卸し)をしてゐる親分」(出典:香具師奥義書(1929)〈和田信義〉香具師細見)

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改訂新版 世界大百科事典 「やさ」の意味・わかりやすい解説

ヤサ
Yasa

モンゴル帝国時代に法令,法度を意味した言葉。ヤサはトルコ語で,モンゴル語ではジャサクJasak(札撒,札撒黒)という。この語はモンゴル帝国建設前,軍律,軍法などの意味で用いられていたらしい。1206年の帝国の建国とともにチンギス・ハーンは帝国の基本法を定めたが,それは大法令(イェケ・ジャサクYeke Jasak)と称された。これはその後1218年,25年に手が加えられて整えられた。大法令はモンゴル族慣習法に基づきながら,大帝国の統治に必要な種々の内容をもりこんで法典化されたものとみられる。ただしこれがきわめて立派な体系を有したとする説もあるが,わずかの断片しか伝わらない以上,確かなことは不明である。いずれにせよ,大法令はチンギス・ハーンの没後代々遵守され,帝国滅亡後も内陸アジアの国々に影響を及ぼした。例えばティムール朝ではイスラム法とともにこれがトルコ人に適用されたのである。
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