ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「やすらい祭」の意味・わかりやすい解説
やすらい祭
やすらいまつり
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…994年(正暦5)国中疫病が流行したため,船岡山に疫神を安置して御霊会(ごりようえ)を営み,その後紫野に神殿を建立し,毎年旧暦5月9日に幣帛を奉り,これを今宮祭と称した。しかし,現在は今宮神社境内の疫(えき)神社の祭礼である,やすらい祭のほうがよく知られている。やすらい花祭ともいい,古くは旧暦3月10日,現在は4月第2日曜日に行われる。…
…俗に〈薬まつり〉ともいわれる。また,このまつりは上記2神社のみでなく,多くの神社で行われたが,いまでも京都市北区の今宮(いまみや)神社境内社である疫神社の今宮祭は,〈やすらい祭〉の名で行われている。これは疫神を追送する行事が風流(ふりゆう)化したものである。…
…立春から立夏まで,すなわち2月初旬から5月初旬までおもに2,3,4月に行われる神事祭礼をいう。祭りは本来季節をもたらす行事であるから,季節感覚に先行する傾向がある。古代律令制で神祇官所祭の四時祭では,仲春2月の祈年(としごい)(祈年祭(きねんさい))と季春3月の鎮花(はなしずめ)(鎮花祭(ちんかさい))とが春祭にあたった。祈年のトシの原義は稲穀の実りをいい,春に農事を開始するにあたり御年神に一年の稲作が無事に成就して豊かで平和な年であることを祈る祭りが祈年祭であり,鎮花祭は古来御霊を意味するモノの主である大物主神をまつる大神(おおみわ)神社の神事で,モノを花に見立てモノの飛散が悪疫を流行させぬよう落花を鎮める行事だとされる。…
※「やすらい祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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