日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユウゼンギク」の意味・わかりやすい解説
ユウゼンギク
ゆうぜんぎく / 友禅菊
[学] Symphyotrichum novi-belgii (L.) G.L.Nesom
Aster novi-belgii L.
キク科(APG分類:キク科)の耐寒性多年草。北アメリカ原産。茎は高さ約1.3メートルに達する。葉は細長い線状披針(ひしん)形、無柄で葉腋(ようえき)に耳状片がある。8~9月、茎頂に一重の頭状花を多数つける。花弁は一般に濃青紫色であるが、白色種もある。耐寒性が強く、性質も強健でつくりやすい。宿根草であるが、栽培上は春播(ま)きまたは秋播きとし、切り花、花壇用に栽培される。栽培は一度定植すれば2~3年は据え置いてもよいが、連作すると下葉が早く枯れ上がり、茎も伸長が悪くなるので、植え替えをする。植え替えにあたっては、1平方メートル当り1キログラムくらいの堆肥(たいひ)または腐葉土を施し、これに化成肥料を100~300グラム振りまいてから、よく混ぜておく。繁殖は3月ころに株分けをするのが普通であるが、4~5月、新芽の先端を切って挿芽を行うこともできる。一般にアスターといわれるエゾギクは中国北部原産のCallistephus chinensis Neesをさす。
[岡田正順 2022年5月20日]