ユーコンテリトリー(その他表記)Yukon Territory

改訂新版 世界大百科事典 「ユーコンテリトリー」の意味・わかりやすい解説

ユーコン・テリトリー
Yukon Territory

カナダ北西部の行政区。ユーコン準州とも訳される。面積53万6324km2,人口3万0400(2006)。人口の7割近くが州都ホワイトホースに住む。人口構成はイギリス系53%,インディアン17%のほかはドイツ系,フランス系などである。準州名はユーコン川に由来するが,ユーコンとはインディアンの語で〈川〉を意味する。大半が山岳地帯で無霜日は6月から8月の3ヵ月弱という寒冷な気候であるため,経済は鉱物資源採掘に頼っている。19世紀後半,金鉱を求める人が続々とこの地を訪れたが,本格的なゴールドラッシュは1896年8月17日,G.W.カーマックと2人のインディアンがドーソン付近のクロンダイク河畔で金鉱を発見したことにより惹起された。以来,金,銀が特産物であったが,近年は鉛,亜鉛,銅の産出も増加している。ただし,鉱産物産出高の増加をはかるうえでは輸送費の高騰が問題となっている。また1972年以来インディアンによる土地賠償請求が絡み,未解決である。カナダ一の高山ローガン山(6050m)がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユーコンテリトリー」の意味・わかりやすい解説

ユーコン・テリトリー
ゆーこんてりとりー
Yukon Territory

カナダ北西部の行政地区。ユーコン準州ともいう。州都ホワイトホース。北はボーフォート海に面し、東はノースウェスト・テリトリーズのマッケンジー地区に、西はアメリカ合衆国アラスカ州に、南はブリティッシュ・コロンビア州に境している。面積47万4706.97平方キロメートル、人口2万8674(2001)。ロッキー山脈、セント・エライアス山脈など山脈の多い高原地域で、カナダ第一の高山であるローガン山(5959メートル)がある。気候も酷寒のため、農牧業には不適である。おもな河川には、アラスカを横断してベーリング海へ出るユーコン川水系と、北極海へ流れるマッケンジー川水系がある。南部の河谷は広大な森林地帯である。毛皮獣の狩猟漁業のほかは、金、銀、鉛などの鉱業が盛んであり、とくにクロンダイク地域の金採掘は有名で、その入口にあるドーソンはゴールド・ラッシュで生まれた都市である。1898年のゴールド・ラッシュ直後にノースウェスト・テリトリーズから分離し、創設された。人口の85%が白人である。

[山下脩二]

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百科事典マイペディア 「ユーコンテリトリー」の意味・わかりやすい解説

ユーコン・テリトリー

カナダ北西端を占める政府直轄領。ロッキー山脈の延長にあたり,全体に山がちでユーコン川が中央部を貫流。北半はツンドラ,南半は森林地帯。鉱業,林業が主産業。1896年金鉱が発見されゴールドラッシュが本格化。金,銀,亜鉛,鉛,カドミウムなどの鉱産物,ハリモミ,バルサムなどの林産物がある。州都ホワイトホース。47万4391km2。3万3897人(2011)。
→関連項目クロンダイクローガン[山]

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