改訂新版 世界大百科事典 「ヨナ書」の意味・わかりやすい解説
ヨナ書 (ヨナしょ)
Book of Jonah
旧約聖書〈12小預言書〉の一つ。預言者の託宣を集めたものではなくて,ヨナという一人物の物語。内容は以下のとおり。1章,ヨナはニネベの町に行って宣教するよう命ぜられるが,主の命に従わず,タルシシの方へ船で逃げる。途中で嵐が起こり,船は危険に瀕する。嵐がだれのせいかを知るために人々がくじをひくと,ヨナに当たる。ヨナは嵐の責任を追及され,海に投げ込まれるが,大魚にのまれ,その腹の中に3日3夜とどまる。2章,ヨナの祈り。3章,再び神の言葉が臨み,ニネベにつかわされ,その滅びを告知する。人々は悔い改め,神は災いを下すことをやめる。4章,ヨナはこれを不快として神に抗議し,死ぬことを求めるが,神はトウゴマをもってヨナの抗議の不当なことを逆に問い返す。
執筆者:西村 俊昭
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報