ヨーロッパ通貨協定(読み)よーろっぱつうかきょうてい(英語表記)European Monetary Agreement

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨーロッパ通貨協定」の意味・わかりやすい解説

ヨーロッパ通貨協定
よーろっぱつうかきょうてい
European Monetary Agreement

略称EMA。1955年ヨーロッパ決済同盟(EPU)加盟18か国の調印によって、ヨーロッパ基金と多角的決済機構設立を決めた通貨協定。この協定は、EPU加盟国の通貨が交換性を回復した場合にEPUにかわるものとされていたが、58年末に西欧14か国通貨がこの条件を満たしEPUは発展的に解消したので、ただちに発効した。ヨーロッパ基金の融資はEPUのように自動的ではなく申請に基づいて供与され、多角的決済機構はEPUとほぼ同じで、業務国際決済銀行BIS)が代行した。この協定は61年に経済協力開発機構OECD)の管理下に置かれ、72年12月に廃止された。

[土屋六郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨーロッパ通貨協定」の意味・わかりやすい解説

ヨーロッパ通貨協定
ヨーロッパつうかきょうてい
European Monetary Agreement; EMA

1955年8月ヨーロッパ決済同盟 EPU全加盟国 (18ヵ国) により,E PU機能承継の意図のもとに調印された通貨協定で,ヨーロッパ基金と多角的決済機構から成る。 58年 12月に西ヨーロッパ 14ヵ国の通貨交換性回復に伴い発効した。ヨーロッパ基金は加盟国が一時的に国際収支難に陥ったときの融資を目的とし,基金総額6億ドル。多角的決済制度は国際決済銀行 BISが実務代行にあたったが,各国通貨の交換性回復に伴い貿易決済はロンドンなど各国金融市場で現金決済されたため,この機構を通じる決済はきわめてまれであった。 72年 12月解散。

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