ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨーンゾン」の意味・わかりやすい解説
ヨーンゾン
Johnson, Uwe
[没]1984.2.23/24. イギリス,シェーアニス
西ドイツの小説家。東ドイツのロストク,ライプチヒの各大学でドイツ文学を学び,1959年に西ベルリンへ移住。同年,北大西洋条約機構勤務の恋人をもつ東ドイツの鉄道員の謎の死を題材とした小説『ヤーコプについての推測』 Mutmaßungen über Jakobを発表。続く小説『アーヒムについての第三の書』 Das dritte Buch über Achim (1961) ,『二つの見解』 Zwei Ansichten (65) においても,時間と視点を移動してディテールを積重ねる実験的手法を駆使して,分裂国家における奇怪な現実,不条理を執拗に追求した。大作『記念日』 Jahrestage (4巻,70~83) では,ヤーコプの恋人を主人公に据え,作風においても新たな展開をみせている。現代ドイツ文学における最も才能豊かな作家の一人。 84年2月 23日夜もしくは 24日,自宅で心不全により死亡したとされる。3月 12日,遺体が発見された。
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