ラフレシア(読み)らふれしあ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラフレシア」の意味・わかりやすい解説

ラフレシア
らふれしあ
[学] Rafflesia arnoldii R.Br.

ヤッコソウラフレシア)科ヤッコソウ属(APG分類:ラフレシア科ラフレシア属)中の1種。1818年スタンフォード・ラッフルズが発見した。花径が1メートル内外、重さ7キログラムになる世界最大の花として知られる。スマトラジャワなどのジャングルにまれに自生する。ブドウ科シッサス属の植物に寄生し、根が菌糸状に寄主に入り、花だけを地上に出す。雌雄異花。花は5弁で多肉質である。花弁は黄赤色で、楕円(だえん)形の斑紋(はんもん)が散在する。花の中心には半球形椀(わん)状の花筒部があり、その底に鋭い突起物の盤状体がある。つぼみから開花まで1か月以上かかり、開くと2~3日で腐る。花は悪臭を放つ。

[植村猶行 2020年6月23日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラフレシア」の意味・わかりやすい解説

ラフレシア
Rafflesia

ラフレシア科の寄生植物の1属。東南アジアの熱帯雨林中に約 12種がある。葉も茎もなく巨大な花をつける。代表的なものであるラフレシア・アーノルディ R. arnoldiiはスマトラのジャングル中に生えるブドウ科の植物の根またはつるに寄生し,花は径 1m,重さ 10kgにも達することがあり,世界最大級の花とされる。雌雄異花。花被は厚い肉質で5片に裂け,赤褐色に黄白色の斑点がある。花の中央は紫色で,雄花には中央に葯 (やく) が並び,雌花には1個の大きい子房がある。開花すると腐った肉のような悪臭を放つ。そのほか小型のラフレシア・プリケイ R.priceiなどもある。西南日本の海岸でシイノキに寄生するヤッコソウ (奴草)はこの科の植物である。

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