ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラーコシ」の意味・わかりやすい解説
ラーコシ
Rákosi Mátyás
[没]1971.2.5. ソビエト連邦,ゴーリキー
ハンガリーの政治家。ハンガリー共産党書記長(在任 1945~56),首相(在任 1952~53)。ロシアで戦争捕虜となったあと,1918年に帰国。1919年クン共産政権下で人民委員として社会主義的生産活動に携わったが,反革命派が実権を握るとモスクワへの亡命を余儀なくされた。1924年帰国,翌 1925年逮捕され,1927年,禁固刑を言い渡された。1934年再び逮捕され終身刑となったが,1940年にモスクワへの亡命を許された。1944年,ソビエト連邦軍とともに帰国すると,ハンガリー勤労者党(→社会主義労働者党)書記長となり,新たに組織された国家保安局 AVOの助けを得て,全政治権力を掌握した。筋金入りのスターリン主義者で,1949~53年党首として,また 1952年からは首相として絶大な権力をふるったが,1953年7月,ヨシフ・V.スターリンの死をうけ首相の地位を改革派のナジ・イムレに譲らざるをえなくなった。それでもなお党書記の座にとどまり,1955年にはナジを免職に追い込んだが,翌 1956年,党のすべての役職から追放された。ラーコシのかたくななスターリニズムとソ連政府への追随ぶりは広く国民の不興を買い,1956年10月のハンガリー動乱の際,再びソ連へ亡命した。
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