ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リシツキー」の意味・わかりやすい解説
リシツキー
Lissitzky, El
[没]1941.12.30. モスクワ
ソ連の画家,デザイナー,建築家。本名 Lazar Markovich Lissitzky。ユダヤ人であったためモスクワ美術学校入学を断られ,ドイツのダルムシュタット工科大学で建築を学ぶ。 1919年モスクワに戻りマレービッチのシュプレマティスムの影響を受け,抽象画を描く。革命後の 21年にモスクワ国立美術学校の教授となったが,同年末ソビエト政府が抽象芸術を排除したため,ドイツを経てスイスに移住。 24年アメリカで展覧会を開き,25~28年ハノーバーで活躍,28年末にはモスクワで作品を発表した。幾何学的形態の構成による表現豊かな作風は,ヨーロッパの抽象美術に影響を与え,グラフィック・デザイン,タイポグラフィ,フォトモンタージュや建築の分野でも多くの業績を残した。西ヨーロッパの芸術家との交流が多く,構成主義を広めた功績も大きい。主要作品『プロウン』 (1924~25) 。
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