ルナリア(その他表記)Lunaria annua L.

デジタル大辞泉 「ルナリア」の意味・読み・例文・類語

ルナリア(〈ラテン〉Lunaria)

アブラナ科の二年草。ヨーロッパから西アジアにかけて分布。花は4弁で穂状につく。乾燥した円盤状の果実を観賞する。

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改訂新版 世界大百科事典 「ルナリア」の意味・わかりやすい解説

ルナリア
Lunaria annua L.

ヨーロッパ原産のアブラナ科の二年草。銀色の果実の隔膜ドライフラワーとして利用される。ギンセンソウ(銀扇草)とも,また合田清が1901年にパリから種子を持ち帰ったためゴウダソウ(合田草)とも呼ばれる。英名はhonesty,moonwort,satinpod,satinflowerなど。茎は,高さ60~80cmで直立し,多少分枝して卵状心臓形の葉をつける。花は紫色または白色の4弁花で,4月ごろ総状に咲く。花が散るとまもなく子房は円盤状にふくらみ,径2.5~3cmとなって扁円形の果実となり,中で黒い種子が4~6個成熟する。このころ全草を切りとって乾かし,果実の皮をはがして種子をとり,隔膜を残せばドライフラワーとして利用することができる。種まきは4~5月。本葉2~3枚のころに花壇に定植するか,鉢植えとして越年させると,翌年開花するが,二年草であるから,秋まきでは翌年に開花せず,さらに翌々年に大株となって開花する。栽培中の高温期に移植すると枯れることが多いが,低温には強く,-7~-8℃でも枯死しない。寒気に強いので,北地の栽培に適している。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルナリア」の意味・わかりやすい解説

ルナリア
るなりあ
[学] Lunaria annua L.

アブラナ科(APG分類:アブラナ科)の二年草。和名ゴウダソウ(合田草)、ギンセンソウ(銀扇草)ともいう。ヨーロッパ原産。日本へは1901年(明治34)合田(ごうだ)清がパリから種子を持ち帰り、栽培したのが最初で、ゴウダソウといわれる。草丈0.4~1メートル。茎は上部で分枝し、5月に藤(ふじ)色または白色のダイコンの花に似た芳香ある花を多数開く。花期後に扁平(へんぺい)な果実が肥大し径4~5センチメートルの小判形となる。熟後に外皮を除くと銀白の莢膜(きょうまく)が現れ、ドライ・フラワーとして用いる。じょうぶで耐寒性が強く、春、播種(はしゅ)すると翌年の春開花する。

[山口美智子 2020年12月11日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルナリア」の意味・わかりやすい解説

ルナリア
Lunaria annua; honesty

アブラナ科ルナリア属の総称で,ヨーロッパから西アジアに2種が分布する一年草または多年草であるが,園芸上はルナリア・アンヌアをさす。葉は卵状披針形で互生し,分枝する茎の頂部に総状花序を形成する。花は約 2cmの4弁花で,紅紫色または白色。果実は楕円形で極端に薄い。切り花や花壇のほか,種子が散ったあとに残る絹光沢のある隔膜の部分を,ドライフラワーとして観賞する。春または秋に種子をまく。土質も選ばず,じょうぶで育てやすい。こぼれ種からもよく生育する。

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百科事典マイペディア 「ルナリア」の意味・わかりやすい解説

ルナリア

ギンセンソウ,ゴウダソウとも。ヨーロッパ原産のアブラナ科の一〜二年草。高さ70〜80cmとなり,全体に粗毛がはえ,葉は卵心形で,縁には鋸歯(きょし)がある。白色または淡紫色でダイコンの花に似た4弁花を総状につけ,のち径4〜6cmの,まるいうちわ形の果実を結ぶ。果実は熟すと隔膜のみを残して,他の部分は枯れ落ちる。これをドライフラワーとする。

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