日本大百科全書(ニッポニカ) 「レビ沸石」の意味・わかりやすい解説
レビ沸石
れびふっせき
levyne
やや産出のまれな沸石の一種。結晶はほとんどつねに二つの個体が互いに入り組んだ貫入双晶をして六角板状の外観をするのが特徴である。エリオン沸石やオフレ沸石offretiteと連晶することも多い。玄武岩、粗面玄武岩などのすきまに、方沸石、菱(りょう)沸石chabazite、トムソン沸石、コウルス沸石cowlesiteなどと産する。日本では、長崎県壱岐(いき)島(ソーダレビ沸石)と島根県隠岐(おき)西ノ島(灰レビ沸石)のものが有名。また、安山岩と花崗(かこう)岩の接触部に輝沸石、菱沸石、束沸石、濁沸石、スコレス沸石などと産する例がハンガリーに知られている。フランスの数学者であり自然科学者であったパリ大学のレビArmand Lévy(1794―1841)にちなんで命名。
[松原 聰]