改訂新版 世界大百科事典 「ロポリス」の意味・わかりやすい解説
ロポリス
lopolith
岩体の中央が下方にくぼんだ皿状の貫入岩体。盆盤(盆状岩体)ともいう。これは巨大な調和的なレンズ状岩体であり,その下盤が沈下することによって,マグマのはいる空間ができると解釈されている。ロポリスは地層があまり著しい地殻変動を受けていない大陸地域にみられる。岩石は多くの場合,斑レイ岩質のものである。常にマグマの分化が行われ,重い鉱物に富んだ層と乏しい層が層状に重なり,全体として岩体の下部にカンラン岩,斑レイ岩などのマフィックな岩石があり,上部に花コウ岩や文象岩などのフェルシックな岩石がある。ロポリスという名前は,北アメリカのドゥルース斑レイ岩体や南アフリカのブッシュフェルト貫入岩体のような径数百kmもあるような巨大な斑レイ岩体の形成機構を説明するために,グルートF.F.Groutによって提案(1918)された。ギリシア語のlopos(貝殻)にちなむ。
執筆者:諏訪 兼位
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報