改訂新版 世界大百科事典 「ローディの和」の意味・わかりやすい解説
ローディの和 (ローディのわ)
1454年,イタリア諸国家の間に,ミラノ南東35kmのローディLodiで結ばれた和平。15世紀中ごろベネチアは長くつづいてきたフィレンツェとの同盟を捨ててナポリ王国のアルフォンソ王と結ぼうとしたため,脅威を感じたミラノ公国とフィレンツェとが提携した。はてしのないイタリア諸国家の抗争は,1453年,トルコによるコンスタンティノープル陥落のニュース到着によって反省がもたらされ,教皇ニコラウス5世の主唱により,イタリア諸国は,さしせまるトルコの脅威の下で,小異を捨てて大同に就くべきことが説かれた。ベネチアとミラノとは54年4月11日にローディで交渉をはじめて和議を締結し,ナポリとフィレンツェもこの和議に従い,イタリア半島は約1世紀間の動乱を終えて勢力均衡の安定期に入った。とくにフィレンツェはこの和議の好影響をうけ,メディチ家による国内支配を強化し,文化の最盛期をむかえた。またイタリア各地を荒らしていた傭兵軍隊も往年の勢力をそがれて,常備軍化する傾向を示した。
執筆者:永井 三明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報