日本大百科全書(ニッポニカ) 「ローマの休日」の意味・わかりやすい解説
ローマの休日
ろーまのきゅうじつ
Roman Holiday
アメリカ映画。1953年作品。ウィリアム・ワイラー監督。永遠のスター、オードリー・ヘップバーンを生み出したロマンティック・コメディの名作。さる小国の王女が訪問先のローマで一日だけの「ローマの休日」を楽しみ、さまざまな思いを胸に秘めたまま王室の公務に戻っていくという物語が、太陽をいっぱいに受けた古都の名所の数々を背景に描かれる。伝統的なハリウッド・コメディのプロットに倣いながら、「別れ」で終わるラストシーンが甘くせつない余韻を残す。王女が長い髪をばっさり切り落とすヘアサロンのシーン、スクーターを暴走させて路上を大混乱させるシーンなど、名場面の宝庫でもある。ヘップバーンは本作でアカデミー主演女優賞を受賞、華々しいキャリアのスタートをきった。
[宮本高晴]
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