アクション・リサーチ(読み)あくしょんりさーち(英語表記)action research

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アクション・リサーチ」の意味・わかりやすい解説

アクション・リサーチ
あくしょんりさーち
action research

集団力学の創始者レビンが提唱した研究法。第二次世界大戦中、少数民族集団食習慣改善などといった現実的な社会問題の研究に関与していたレビンは、現実の社会のなかに構成される小集団を対象として、その集団や成員の改善や向上実践と、集団過程に関する基礎的な研究とが、研究者とその道の専門家や現場の関係者との協力によって、実践→研究→実践というように表裏一体をなして循環的に進められる必要性と有効性を強調し、これをアクション・リサーチとよんだ。実践的段階で生じた問題は、基礎的研究によってその機制や原理が解明され、基礎的研究による知識や技術は現実社会の場で実践的に試行され、さらにその結果の検討が基礎的研究に還流される。なお、これに現場の当事者の訓練過程も含めて、アクション・トレーニング・リサーチと称することもある。

[辻 正三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アクション・リサーチ」の意味・わかりやすい解説

アクション・リサーチ
action research

社会心理学者 K.レビンが提唱した,集団力学の理論社会生活に応用し,具体的な事態の改善を試みることを意図する研究。集団活動の過程を,実際の展開場面において,しかも実験的に刺激を加え,それによって生じた変動の過程として観察,記録していく。

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