アグノン(英語表記)Agnon, S.Y.

精選版 日本国語大辞典 「アグノン」の意味・読み・例文・類語

アグノン

  1. ( Shemuel Yoseph Agnon シェムール=ヨーセフ━ ) イスラエル小説家作品は深い宗教性をもつ。一九六六年度ノーベル文学賞を受賞代表作は「嫁入り」「恐れの日」など。(一八八八‐一九七〇

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アグノン」の意味・わかりやすい解説

アグノン
Agnon, S.Y.

[生]1888.7.17. オーストリア=ハンガリー帝国(現ウクライナ共和国),ブチャチ
[没]1970.2.17. イスラエル,レホボト
イスラエルの小説家。フルネーム Shmuel Yosef Agnon。本名 Shmuel Yosef Halevi Czaczkes。 1966年ノーベル文学賞受賞。現代の最も偉大なヘブライ語作家といわれる。 1907年初めてパレスチナの土を踏んだが,1913年ドイツにおもむき,ヘブライ文学を講じた。 1924年エルサレムに帰り,以来執筆に専念。作品は,多くユダヤ人の伝統的な生活,宗教を背景として描き,その筆致ユーモアにあふれ,その思想は人間への愛情に満ち,文体は華麗で,ヘブライ的教養のユニークな面を存分に発揮している。主著『捨てられた妻たち』 Agunot (1908) ,『嫁入り』 Hakhnasat kalla (1919) ,『夜の旅人』 Ore'ah Nata' Lalun (1938) ,『昨日と一昨日』'Tmol shilshom (1945) ,民話集『恐れの日々』 Yamin nora'im (1938) 。 (→ヘブライ文学 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アグノン」の意味・わかりやすい解説

アグノン
あぐのん
Shmuel Yosef Agnon
(1888―1970)

イスラエルの文学者。ガリツィア(現ポーランド領)のユダヤ教徒の家に生まれる。幼少のときより著作活動を始めるが、イディッシュ語とヘブライ語によるものであった。1907年家を離れパレスチナに渡り、1913年からはドイツに滞在、1924年エルサレムに戻り、活動を続けた。現代イスラエルでもっとも著名な作家で、作品はおもにヘブライ語で書かれているが、多くの国で翻訳されている。1966年ノーベル文学賞を受賞した。

 1907年に発表した『棄(す)てられた妻たち』Agunotで世に知られ、以後、おもにガリツィアとパレスチナを舞台に、ユダヤ人の生活や宗教を題材にした小説を執筆した。代表作に『花嫁天蓋(てんがい)』Hakhnasat Kalah(1922)、『一夜の客』Oreach Nata Lalun(1939)がある。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「アグノン」の意味・わかりやすい解説

アグノン
Shmuel Yoset Agnon
生没年:1888-1970

現代イスラエルを代表するヘブライ語作家。本名Samuel Josef Czaczkes。1966年ノーベル文学賞受賞者。ガリツィアに生まれ,長くエルサレムに住む。作品も,東欧ユダヤ民衆のハシディズム世界の生活とイスラエル民衆の伝承,生活に材をとり,深い宗教性を含みつつ,想像と現実の混じり合った象徴的な美に達している。全集12巻は16ヵ国語に訳され,代表作に《嫁入り》(1937),《ただ夜のための客のごとく》(1964)等がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「アグノン」の意味・わかりやすい解説

アグノン

現代イスラエルのヘブライ語作家。ガリツィアに生まれ,20歳のときイスラエルに移住。《捨てられた妻たち》(1907年)以後,《嫁入り》《怒りの日》《パレスティナ物語》など,ユダヤの民族と文化を宗教色濃く描き,国外でも広く知られた。N.ザックスとともに1966年ノーベル文学賞。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android