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アスファルト asphalt

翻訳|asphalt

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アスファルト
asphalt

(1) 黒色ないし黒褐色の固体または半固体の物質で,天然固形瀝青の一種。天然アスファルトという。本来の石油鉱床から脱出して,沖積層,洪積層などの新しい地層中に集積して鉱床をつくることが多い。化学成分上,パラフィン系以外の諸系族のきわめて複雑な有機物が集合した高分子化合物の混合物で,加熱すると流動性をもつ。この性質を利用して道路の舗装などに用いられる。有名な産地は西インド諸島のトリニダード島。
(2) 石油の減圧蒸留の残油で黒ないし黒褐色の半固体炭化水素化合物。石油アスファルトという。減圧蒸留残油そのものをストレート・アスファルトといい,そのままか,乳化剤,安定剤を用いて水で乳化させたアスファルト乳剤,あるいは灯油などの軽質油を混ぜて流動性をもたせたカットバック・アスファルトとしておもに道路舗装に用いられる。ストレート・アスファルトを加熱し,空気を吹込んで酸化重合させて硬くしたものをブローン・アスファルトといい,おもに防水材料として用いられる。石油アスファルトの化学組成はまだ十分には明らかにされていないが,油脂とレジン (この両者をマルテンという) ,アスファルテンから成り,アスファルテン中にマルテンが懸濁してコロイドをつくっているといわれる。

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デジタル大辞泉の解説

アスファルト(asphalt)

炭化水素主成分とする黒色の固体または半固体。天然にも産するが、ほとんどは石油精製過程で得られる。道路舗装のほか絶縁材・塗料などに利用。地瀝青(じれきせい)。土瀝青(どれきせい)。

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百科事典マイペディアの解説

アスファルト

黒褐色ないし黒色の固体あるいは半固体の可塑性物質。歴青(れきせい)とも。水と混合し乳化剤を加えたものを主として道路舗装に用いている。原油を減圧蒸留したときに釜残(かまざん)として得られるものと,天然産のものがある。
→関連項目原油石油石油ピッチ接着剤

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リフォーム用語集の解説

アスファルト

原油に含まれる炭化水素類の中で最も重質のもの。減圧蒸留装置で作られた減圧残油はそのまま製品アスファルトとなり、ストレート・アスファルトと呼ばれる。道路の舗装や、建築においては屋根の防水剤としても使用されている。

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岩石学辞典の解説

アスファルト

黒いビチューメンで硬いものから脆いもの,塑性的なものまで変化する.揮発性成分が低く炭化水素よりなり,平均した炭素量は84%,水素は10%,酸素は6%.岩石の中に脈状および噴出した塊のように鉱染して産出する[Tomkeieff : 1954].ギリシャ語のasphaltesは滑らない,ねばねばした,の意味.またaspahaltosは瀝青(bitumen)で,天然産炭化水素およびそれを精製したものの総称である.鉱物ピッチ(mineral pitch)[Kirwan : 1796].

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デジタル大辞泉プラスの解説

アスファルト

1929年製作のドイツ映画。原題《Asphalt》。監督:ヨーエ・マイ、出演:グスタフ・フレーリッヒ、ベティ・アマンほか。

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色名がわかる辞典の解説

アスファルト【asphalt】

色名の一つ。みの暗い褐色のこと。天然の炭化水素を主成分とする混合物のアスファルトから作られる顔料の色。この顔料はビチューミン、日本語では瀝青れきせいと呼ばれる。道路を舗装するアスファルトは石油から製造されるが、色は近い。色名は20世紀に入ってから命名されたが、顔料は古くから知られ、日本でも用いられていた。

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世界大百科事典 第2版の解説

アスファルト【asphalt】

黒色あるいは黒褐色で,常温では固体または半固体の,縮合多環芳香族炭化水素を主成分とする物質。歴青(ビチューメンbitumen)ともいう。天然産のものと石油から生産されるものがある。前者は,ヨーロッパ,アメリカなどに産出され,原油が地表近くでその揮発性成分を失い,重質部分を残したものと考えられている。古代エジプトやメソポタミアでもすでに防水・防腐用,建造物の接着用に使用されている。後者は,石油精製工程において,原油を減圧蒸留するか,あるいはプロパンなどを溶剤とする抽出を行うか,いずれかの方法で残渣分として得られる。

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大辞林 第三版の解説

アスファルト【asphalt】

天然には石油層に含まれ、また石油の分留精製の際に残留物として得られる黒色の固体または半固体物質。主成分は複雑な炭化水素。天然のものは原油が地表近くで揮発成分を失って重質部分が残ったものと考えられる。道路舗装・防水・保温・電気絶縁などの材料として利用される。土瀝青どれきせい。地瀝青ちれきせい

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アスファルト
あすふぁると
asphalt

瀝青(れきせい)の一種。天然に産する天然アスファルトと石油から製造される石油アスファルトがあるが、日本では後者をアスファルトといっている。ヨーロッパではビチューメンbitumenということが多い。アスファルトは黒色の固体または半固体の物質で、主成分は複雑な炭化水素であり、アスファルテンという固体成分がマルテンという油状成分中に分散したものである。天然アスファルトはほぼ純粋な状態で産出するので、掘り出したままで使用できる。日本ではすでに7世紀に土木建築材料などに使用された記録がある。
 石油アスファルトにはストレートアスファルトとブローンアスファルトの2種がある。ストレートアスファルトは原油の減圧蒸留において残留物として得られるもので、伸度と粘着力が大きく、軟化点は通常65℃以下である。ブローンアスファルトは、約260℃に加熱したストレートアスファルトに空気を吹き込み、酸化、重合、縮合などをさせて製造したもので、ストレートアスファルトより硬く、軟化点も高い。また弾性、衝撃抵抗が大きく、温度による硬さの変化も小さい。
 日本におけるアスファルトの2007年(平成19)の生産量は年間約200万トンであり、大部分はストレートアスファルトで、ブローンアスファルトは数%にすぎない。ストレートアスファルトは主として道路舗装用に使用されている。日本の舗装道路の80%以上はアスファルト舗装であり、通常、供用寿命は10年程度と考えられている。また、空港の舗装にも用いられている。ブローンアスファルトはおもに防水加工用に使用する。すなわち、包装あるいは建築に用いる防水紙、防水板、防水フェルトをつくるために、原材にアスファルトをしみ込ませたり塗布したりする。また、粘着性を利用して、各種ブロック、板を床に張り付けるための接着剤としても用いられる。そのほかの用途としては、水、酸、アルカリに強く、適度の熱可塑性をもち、電気絶縁性に優れているので、電池、コンデンサーなど電気化学工業で広く用いられている。また、練炭の粘着剤としての利用も試みられている。[難波征太郎]

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