翻訳|Atlanta
アメリカ合衆国、ジョージア州北西部にある同州の州都。人口41万6474(2000)。アパラチア山脈南西端の山麓(さんろく)部に位置し、合衆国南東部の商業、金融、交通の中心地。『フォーチュン』誌による合衆国大企業500社のうち429社が、アトランタに出先機関を置いている。また合衆国第6地区連邦準備銀行をはじめ、多数の銀行、保険会社が集中している。ハーツフィールド・アトランタ国際空港は、地下鉄により都心部と結ばれ、年間利用客数は合衆国第2位である。織物、家具、化学薬品、ガラス、木材、鉄鋼、皮革製品、電気機械、アルミニウム、製粉、自動車などの工業がある。
1833年、最初の移住者が先住民クリーク(アメリカ・インディアン)の土地に定住し、1837年テネシー州のチャタヌーガからの鉄道の終点として町が建設され、ターミナスTerminusとよばれた。1843年マーサスビルMarthasvilleと改称され、1845年に市制を施行してアトランタと名づけられた。南北戦争当時は、南部の鉄道、商業、通信、物資補給の重要な都市であった。1864年、北軍のシャーマン将軍の攻略によって陥落し、市街地のほとんどが焼けた。南北戦争後、急速に復興し、博覧会、商品見本市、各種の会議を開催して、アトランタの名を高めた。『風とともに去りぬ』の舞台となったところで、ドッグウッド(ハナミズキ)の咲くきれいな住宅地がある。州議事堂、市役所、州公文書資料館、グラント公園内のサイクロラマ館、アンダーグラウンド・アトランタ(地下街)、マーチン・ルーサー・キング牧師の墓などが観光の場所になっている。1996年オリンピックが開催された。
[菅野峰明]
アメリカ合衆国ジョージア州の州都で,ニューオーリンズと並ぶ南部(テキサス州を除く)最大の商工業・交通の中心地。人口47万0688(2005),大都市域人口314万(1992)でマリエッタなど多くの衛星都市をもつ。市人口の約3分の2は黒人であるが,衛星都市では一般に白人の方が多い。アパラチア山脈の南東麓のピードモント台地に位置し,標高は約320m。1837年,ウェスタン・アトランティック鉄道の終点として建設され,45年にこの鉄道名にちなんでアトランタと名づけられた。黒人奴隷に依存した綿花栽培地帯の中心として,綿花の取引,綿工業が栄えた。南北戦争中の64年には,W.T.シャーマン将軍の率いる北軍の焦土作戦によって,町の大半は灰燼に帰したが,戦後再建され,77年には州都に指定された。20世紀にはいると,ここに本社を置いていたコカ・コーラ会社の好景気も手伝い,人口が順調に増加し,第2次大戦後は工業も多角化して自動車,繊維(綿,レーヨンなど),機械,食品などの工場が市内外に立地した。70年代以降は連邦政府が南部の開発に力を入れているためもあって,アトランタの発展はめざましい。96年,第26回夏季オリンピックが開かれた。マーガレット・ミッチェルの小説《風と共に去りぬ》(1936)の舞台としても知られる。
執筆者:正井 泰夫
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